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2009年4月 2日 (木)

「知らないことを知る」大切さ

知ったかぶりをするのは、もったいないことだと思う。


折角、新しい知識を得る機会なのに、それをみすみす逃してしまう。



昔、『知ってるつもり』というテレビ番組があったけれど、

「知ってるつもり」になっている状態が一番危うい。


「知ってるつもり」になると、もうそこから学びはない。

「知ってるつもり」になると、人の話も半分にしかきかない。

つまり、「聴く耳」を失ってしまうのだ。


「もう既に十分、学んでいて、知っているのだから、もう学ばなくても大丈夫!」

「はいはい、その話は、もうすでに十分知っていますよ。だから聴く必要はありません!」


月は満ちれば、欠けていくように、

もうすでに「十分だ」と思いこんでしまったところから、衰退が始まっていく。



ソクラテスは、「無知の知」として、「知らないことを知っている」ことの

重要性を説いた。


そして、NLPの創始者の一人、リチャード・バンドラー博士も同じようなことを述べている。


次に、少し長くなるが、

リチャード・バンドラー博士の

『神経言語プログラミング──頭脳をつかえば自分も変わる』より、著者あとがきを引用する。



────



 神経言語プログラミングを学んで得られる結果として重要なのは、一連のテクニックではなく、人生に対する姿勢です。これは好奇心と深く結びついており、自分の周囲で起こることに興味を持ち、これに影響を与え、役立つ方向へ持って行こうとする態度です。

 この本の中でお話ししてきたテクニックは、非常に強力です。それだけにこれをどう使いこなすか、何の目的で使うかについては、何が有用であるかをいつも念頭に置きつつ慎重に考えていただきたいと思います。あなたの人生にとって、長い目で見た場合に利益をもたらし、喜び、満足、楽しさ、幸福感を与えてくれる素晴らしいできごとも、その当初は必ずしも愉快なものであるとは限りません。それどころか欲求不満や混乱を引き起こす場合すらあり得ます。プログラミングを行う際には、このことはぜひ覚えておいてください。


 テキサスでの講演会へ向かう飛行機の中でのことでした。隣に乗り合わせた男性が『魔術の構造』という本を読んでいました。その表紙が目を引いたので、こうたずねました。


「あなたは、魔術をお使いになるのですか。」

「いいえ、私は心理学者です。」

「心理学者がどうして魔術の本を読んでいらっしゃるのですか。」

「これは魔術の本ではなく、意志の伝達に関するまじめな本なのです。」

「でしたら、どうしてそんな題名がついているのですか。」


 ここにいたって彼は座りなおし、三時間にわたってその本について説明してくれました。しかしその内容は私が執筆した時に意図したものとは、全くかけ離れていました。実のところ、彼は二番目の章ですでについていけなくなっていました。しかし私は質問を繰り返し、問答が続きました。そうしている間、私は「いやはや別の見方があるものだ」と、心底感心していたのでした。


 実は彼もテキサスでの講演会に行くところだったのです。次の日になって会場で会った時、彼は私が彼の忠告にしたがって講演会にやってきたと思いこんで、大変ご機嫌でした。しかしそれは、私が演壇にのぼり、マイクを手にするまででしたが。彼にはわかってもらえないと思いますが、私が飛行機の中で「その本を書いたのは私です」と言わなかった理由は、私にとっての新しいものの見方を学ぶ絶好の機会を見逃したくなかったからです。

 どんなことがあっても、完全にマスターし、完璧に行えるようになると、単なる労働になってしまいます。診療所をつくって人びとをよび集め、一日中繰り返し繰り返し恐怖症の治療をすることもできるでしょうが、これではつまらない日常の業務と変わるところがありません。しかし相談相手がやってくるたびに、たとえばエレベーターに対する恐怖をとり除くだけでなく、さらに突っこんでエレベーターに乗ることを楽しむように仕向けたら、もっとおもしろいではありませんか。つまり恐怖心を転化して、もっと役立つものに変えてしまうわけです。

 私は講演会に出かける時には、いつも前の晩に宿舎に着くようにしています。フィラデルフィアで、神経言語プログラミングの「上級者」と同じホテルに泊まり合わせたことがありました。私がバーへ行ってみると、ちょうどそのうちの一人が友人に語りかけていることろでした。「明日の講演が、また感覚要素についての繰り返しでないことを祈るね。すでに僕にはわかりきっていることだからね。」

 これを聞いて黙っているわけにはいきません。近寄っていってたずねました。


「いったい神経言語プログラミングというのは何なのですか。」

「説明するのは難しいですがね。」

「でも神経言語プログラミングについて、よくご存知なのでしょう。」

「ええ、もちろんです。」

「でしたら、そいつについて教えてください。一杯おごりますよ。」


 翌朝、講演会の会場で私が演壇に登った時、彼がどんなに驚くか、知るべくもないでしょうが、もうひとつ彼が気づいていなかったことがあります。それは私が三日間にわたるセミナーで彼に教えたよりも、ずっと多くのことを彼からバーで学んだということです。


全てを知ることは決してできないという観点に立って、あらゆることを初心に返ったつもりで受け入れてもらいたいと思います。というのは、しばしば「知らないということを知ること」を忘れがちになってしまいがちになるからです。「これは前に見たあれと同じだ」とか、「これは何々と変わらない」とか、「神経言語プログラミングなら、もう去年のうちにマスターしてしまった」といった発言をしがちなのです。私自身、神経言語プログラミングについてはわからないことだらけですから、本当にマスターした人がいるならば、教えてもらいたいくらいです。

 あることを学ぶことはもちろん大事なことですが、まだわからないことは何かを知ることは、さらに重要で、これができるかできないかで、人生に対する態度に決定的なちがいを生み出します。私たちの心の中には、私たち自身が気づいているよりも、ずっと多くのことがつまっていますし、身のまわりでも、思いがけないことが起こります。そのようなものごとに対しても、興味を抱き熱中できるという果てしない好奇心こそが人生を楽しくおもしろく、そして実りあるものにしてくれるのです。

 人間の行動というものは、すばらしいものではありますが、それが本当に役に立つかづかは、時と場所、そして場合によりけりです。皆さんは、自分の脳を使いこなす方法はすでにマスターしているのですから、次の問題はどの方向へ走らせていくかです。自分のバスを運転できないうちは、目的地の設定はたいした問題ではありません。設定したところで、そこにたどりつけないからです。しかし今やあなたは自分の脳を思う所へ運転していけるのですから、目的地を的確に定めることが非常に重要な問題です。うまく設定しないと、同じ所をぐるぐる回り続けたり、ひとつの道を行ったり来たりしてしまうことになってしまいます。


 あなたがどこにいようと、そして何をしようとしても、あなたが本書を通して身につけた技術、道具は、あなた自信が人生を楽しみ、新たなことを学ぶうえでの基礎となるでしょう。テキサスで私の隣に乗り合わせ、私に神経言語プログラミングが何であるかを説明してくれた男性と私との唯一のちがいは、私は彼から多くのことを学んだことを自覚していましたが、彼はそのことを全く知らないということでした。私は彼をからかったり、驚かそうとしたわけではありません。彼との問答が、私にとって新たなことを学ぶまたとない機会だったからです。しかし考えてみれば、人生の中で起こるあらゆるできごとは、二度と起こり得ない貴重なものです。ですから、その貴重な機会を逃すことなく、あなたが学んできた神経言語プログラミングのテクニックを駆使して、あなたの人生の役に立てていただきたいと思います。



『神経言語プログラミング──頭脳をつかえば自分も変わる』より、著者あとがき


バンドラー 著

酒井一夫 訳


原題  

『Using Your Brain ──for a Change』




"神経言語プログラミング―頭脳(あたま)をつかえば自分も変わる" (リチャード バンドラー)


────



バンドラー博士自ら(当時は、まだ博士ではなかったが)、まだ「NLPについてはわからないことだらけ」と言っているのに、「NLPのことなら知っている、マスターした!」と豪語するのは、厚顔無恥も良いところだと思う。



NLPについて、僕は多くのことをまだ知らない。だから、探求していく楽しみがある。

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